回る謎の球体【散歩特集 その1】

秀逸な本 本棚に1冊ほしい
会社員だったころ、四国新聞社の目の前のビルの一室で働いていた。そのビルのロビーというか玄関にポツンと背丈ほどもある黒色の彫刻があった。
形は「台座の上に球体がのっかっているようなもの」だった。球体が台座から落ちないか、見ていてはらはらするようなものだ。

「実は、あの上の球体・・・。手で回すとクルクルと回るんだよ。」

酒場で隣に座った人にそう耳打ちされてびっくりした覚えがある。

「アートな散歩道」を読むと、よくもまあ香川県内にこんなにたくさんの彫刻があるもんだなと驚嘆する。
本文には2~3ページのコラムが53ある。全部で172ページ。対象となる彫刻や、その作家の別の作品の写真が掲載されている。解説は平易でとても読みやすい。香川ではもちろんのこと、海外でもファンが多いイサムノグチ、草間彌生、流政之、猪熊弦一郎、川島猛の作品はきちんとおさえている。
巻末の「香川の野外彫刻一覧」はコンパクトにまとめられており、資料としても、ガイドブックとしても秀逸である。
著者は四国新聞社で編集局長、東京支社長まで勤め上げた田中茂春。写真は藤村豊博。
本書は観光業、ガイドなど、観光案内する人はもちろん、芸術関連に興味のある人にはぜひおすすめしたい。
寝転がってパラパラみるもよし、小脇に抱えてアート巡りするもよし。本棚に必ず入れておきたい1冊である。
以下の作品も写真、解説ともにおさめられている
・北村 西望「平和の女神」小豆島町
・安藤 泉「大空を翔る(ヘラジカと少年)」多度津町
・大西 康彦「伸びる」善通寺市
・辻畑 隆子「剛・伸」高松市
・柳原 義道「道標・鳩」丸亀市
・小倉右一郎「平賀源内先生」さぬき市
・阿部誠一「女の子二人」高松市
・中川清「三木武吉像」高松市
・池川敏幸「知・徳・体」高松市

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