香川の労働者を正面から書いた作家 黒島伝治作品集「瀬戸内海のスケッチ」を読んで

kosorima

こんにちは。高松市にある本屋「かまんよ書店」のダイ・アオキです。今日もちょっとかまんですか。

尾﨑放哉の本を読んでみて、新境地に行けた僕はおなじ小豆島にゆかりのある「黒島伝治」を手に取ってみた。

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この作品と中で、僕は「まかないの棒」という作品がすぐれていると思った。「砂糖泥棒」もよかった。作品が書かれたのはともに1923年。大正時代の終わり頃。昭和が始まってすらいない。

「まかないの棒」は、そんな大昔の貧しい家族の話だ。

祖母に連れられて、身内が取り仕切る会社(醤油蔵)に働きにいった京一。同僚と比べて仕事の出来が悪いため、先輩たちからいじめにあう。棒でしばかれて(メッタうちにされて)、京一はブチ切れて家に帰ります。もう会社(醤油蔵)に行かないときめて、ふて寝します。やがて山で仕事をしている父母が帰ってくる。父母は芋をうまそうに食う。そんな姿をみて、山の仕事が羨ましく思い、「山の仕事がしたい」とわがままを言ってみる。でも父母は山の仕事は会社(醤油蔵)に比べて稼ぎが少ないため食っていけないと京一に言う。京一はそれでも会社に行かない。日向ぼっこをしてみる。そして、祖母に連れられて、再び会社(醤油蔵)に行くのだった。

いまでも十分意味が分かる。山の仕事が貧しいという感覚も。会社の方が金になるということも。会社では、物覚えが悪かったり、群れないといじめられること。上司は必ずしも味方になってくれないこと。大事な時に助けてくれるのは、父母ではなく、おばあちゃんであること、などなど。

これって、いまの香川のことじゃないの?と思えるくらいです。黒島が生きた時代は、いまから100年(一世紀)前。100年経った今でも、産業の構造や人間関係のしがらみからは、解放されていないということです。

悲しいですが、現実ですね。

この黒島伝治の「瀬戸内海のスケッチ」はさぬきマルシェでも販売します。興味のある方は手に取ってみて下さい。

黒島伝治…。ご存じの方の方が少ないと思います。

我慢できない方は、以下をどうぞ

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